希少価値を高める「限定感」をうまく使う

希少価値を高める「限定感」をうまく使う

限定感というのは、マーケティングでよくある手法です。商品なら「お一人様限定2個まで」セミナーなら「残席5名です」「先着10名までこの特典がついてきます」というように、数を限定することで希少価値を高めるというものです。

士業のホームページでも、「今月限定○社まで会社設立手続きが半額」とか「5社までは相談料無料」などと書いている人は多いものです。

基本的に士業のホームページで「限定○社」で煽るのは、性質的にあまり合ってないというか、受け入れられ難いところはあるかと思うところもあります。ですが、これ自体はやらないよりやったほうがいいところです。

限定感を出して集客する際のポイント

士業の世界は、もともとこういうことをやっていない業界でした。そのため、最初の頃は限定感を出しても、そのまま受け取ってもらえました。

しかし多くの事務所が同じ手法を使っている今、「限定○社」「限定○人」というのは、実はあまり効果がありません。「どうせ限定じゃないんでしょう」と思われてしまいやすいからです。

そうなることを防ぐためには、限定にしている真実味を見せることです。コピーライティングの世界でもよくいわれることですが、ここが表現のポイントになります。限定5社で格安にするのなら、なぜなのかが書いていないと信憑性がなくなります。

真実味があるように見せるための手法

真実味を見せる方法にはいくつかありますが、ひとつは「現実的に限定○社しかできない」と思われる理由を列挙することです。

たとえば、「ひとつの打ち合わせに対し、これくらいの時間がかかります。自社の売り上げを考えると、5社以上受けると赤字になる可能性があります。そのため、5社限定としています」

「書類作りがメインの仕事なので、1日に入れられる打ち合わせは2件が限界です。そのうち1件は既存のお客様で埋まってしまうため、新規で入れられるのは、最大でも一ヶ月で10件くらいになってしまいます。その10件のうち半分以上をこの金額でしてしまうと赤字になってしまうため、5社までとさせていただきます」というような。このように、真実味のある限定感を出すというのがひとつのやりかたです。

もうひとつは例外的なやり方ですが、ユニークな限定感を出すという方法もあります。例えば、「当事務所の会議室はビルの共有のため、事前にまとめて予約をして枠を押さえなければなりません。その枠が5枠までとなっているため、限定5社としています」とか。こう言われると説得力があるように聞こえます。少しユニークであることがポイントです。

基本は信憑性が高い、ちゃんとした理由を書くことが大事です。なぜ限定5社までその金額でできるのかということをしっかり明確に書いていかないと、信頼性が失われてしまうので注意が必要です。

横須賀輝尚