展示会に出展するときの販促物

今回はいわゆる展示会について。フェスタとかいろんな言い方はありますが、展示会という表現が一番分かりやすいかもしれません。

 

士業の世界ではあまりないですが、例えばノベルティー展示会なんかだと、ノベルティーを作ってる会社がたくさん集まってそれぞれブースを出して、「うちは今このレベルで来てます」とかそういうのをこぞってやります。この時に販促物をどうしたらいいかというのが今回のテーマです。

まず目的を考える

展示会を含むあらゆるものがそうですが、「なんでそこに出るの?」っていうところをまず考えないといけないわけです。何も知らないと、「出ればなんとなくお客さん的なものが来るのかな」というふうにどうしてもなりがちです。もちろん、それはそれでやらないより全然良い。たとえば、展示会の話を聞いたときに9割ぐらいの人がやらないですから。

このときの考え方としては、やはり何を配るかというよりも、「目的を何に置くか」です。B to Bだと、うまくいく場合は、ほとんどの場合名刺集めを目的にしています。そして、そのために何をするかというと、大きく分けると2つです。

一つは、何かをあげること。「今名刺交換していただいた方にこちらを差し上げております」と言って、サンプルなどを配布するとか。B to Bは、とにかく名刺を集めて、あとでアポを取って提案をしに行って…というようなことのためにやります。

もう一つはセミナーです。小さいブースで4人とか5人でもいいので、例えば12時から6時までやっている展示会だったら2時から第一回、4時から第二回という風に決めて、セミナーの告知をしておく。そこで配るビラも、セミナーのビラを配る。会場の広さにもよりますが、そこでセミナーをして、またアポイントを取って提案していくという流れになります。

B to Cの場合は、名刺を持っていないことがやっぱり多いので、「何か書いてもらうとこれを差し上げます」というようにして、そこでアンケートを書いてもらうといいです。特に士業の場合は、売る「もの」がないので、セミナーをやるとか、小冊子などこういった配布物を配るというのが、一番リストを集めやすくなります。

少なくとも、行政書士の業務に関する冊子やセミナーであれば、興味がある人が来ると思うので、そういう意味ではこれから相談につながる可能性はあります。

チラシは、配るときに中身を伝えて、役に立つものを

それからチラシですが、世の中でもチラシやティッシュなどいろいろなものが配られていますが、「取りにくいもの」っていうのはあります。どうぞと言われても取れない。「何これ?」となる。これは配る時のコツですが、そうではなくてちゃんと中身を話しながら配るということが非常に大事です。しかも相手の役に立つものであること。

相手の役に立たないで、かつ何も言わないで配るから、受け取ってもらいにくくなります。「チラシどうぞ」「こんにちは」といってチラシを配っていて、受け取ってみたら例えばコンタクトのチラシだった、みたいな。

私はすごく目が良いので、コンタクトは使ったことがない。そうすると、コンタクトのチラシをもらってもほんとに意味がありません。それに、そもそもコンタクトの案内ですと言ってもらえれば受け取らなくてすみます。こうならないように、展示会の場合は相手に役立つものを配ることがポイントです。

小冊子は、「もう一段階前のこと」を考えて作る

しかし、そのもう一段階前のことを考えておくのも大事です。例えば離婚業務であれば、「失敗しない離婚」みたいな小冊子を配ってしまうと、受け取ると「ああこの人離婚したいのか」というように周りに映ってしまう。ですので、その前段階を冊子なりチラシにするといいです。

例えば「幸せな生き方」とか。そういった、もらいやすくいもので、でもその中にはちゃんと士業的なことが書いてあるようなもののほうが、もらう方としてはもらいやすいです。例えばセミナーでも、離婚対策セミナーとかだと意外と人が集まらない。なぜかというと、離婚を考えているということがばれてしまうからですね。

例えば離婚専門弁護士事務所も同じで、事務所の中に入りにくいわけです。そういうことってあるので、離婚業務であれば、ものを配布するときには「離婚しそうな人が考えている他のことは何かな」と考えて冊子を作って配るというのが配りやすくなります。

 

まとめると、展示会の時には、とにかく人が流れるようにきていなくなってしまうので、何か抵抗なく渡せるものがいいということ。

士業のようなニーズ商売であれば、永久保存版的な小冊子を受け取ってもらえたという段階で、ある程度展示会ビジネスとしては成立と言えるでしょう。あとは小冊子の中に、この人は相談しても大丈夫そうだとわかるように、実績とプロフィールを書いておくといいです。

5冊10冊配ったところであまり意味はないですが、継続して100冊、200冊…500冊くらいになってくるとだいぶ変わってきます。永久保存版の小冊子を配るというのはありかなと思います。

 

横須賀輝尚