士業名刺の訴求力とは

今回は、士業の名刺についてです。

開業したてはパーソナリティをアピールする

士業の名刺に関しては結構いろんなところでお伝えしてきていますが、開業したての場合はとにかくパーソナリティ押しです。天才塾でも昔から言っていますが、「自分を出す」というところです。「私はこういう人です」という自分の情報をとにかく出していくこと。

いろいろな人がいますが、多くの人が開業したての頃は士業のオーソドックスな仕事しかできないでしょうから、プロフィールでどれだけ自分の情報公開、自己開示ができるかというところで訴求していくといいです。

士業の商品は法律商品なので、すごいものというのは開発できないわけです。訴求力があまりないので、最初の頃で実力もなければ、そういう意味でもやっぱり個人を出していくしかないです。

メイン業務に迷ったら、わかりやすくて相手のメリットになるものを

士業の方からの相談としては、「どういう業務を中心にしたらいいですか」という相談はとても多いです。ただ、この質問が出てくるという時点で、自分がどういう風になりたいかというのが決まっていないわけです。

ですから本当は、最終的にどうなりたいかを決めてから「この業務を使おう」という風に持っていかないと、本来的にはおかしなことになってしまいます。ただその中でも、最初は方向性もわからないので何をしたらいいかわからないというのは士業にはありがちな話です。

最初に反応を得たいということであれば、わかりやすい業務がいいと思います。わかりやすく相手のメリットになるもの。例えば行政書士では融資、補助金です。社労士だったら助成金、税理士だったら節税など。人はお金にはやっぱり反応しやすいんです。

基本的には対法人の場合は特に、儲かるのかコストカットになるのか、というわかりやすさがないとやりようがありません。「ブランディングします」というようなものにお金はなかなか払えません。

例えば「御社の業務効率を上げます」というのも似ています。工場などであれば、一秒早く作ることができたら、作れる製品の数がそれだけ変わったりするので効果測定がしやすくていいかもしれませんが、一般的にはそれがどのくらいの利益になるのかというのは効果測定しにくいものです。

どうしても最初に扱う商品が決まらないというのであれば、お金に関する事は非常に分かりやすいと思います。

最初は「業務のわかりやすさとパーソナリティ」の情報を出していく。そのあとは、どうしていくかによって名刺を変えていけばいいと思います。名刺って、最初はどんどん変えていくものです。

効果的な提案の仕方

弊社も顧問税理士がいますが、例えば他の税理士の方から「税理士を替えませんか」と言われたら、「大丈夫です」と断りますが、「一度節税の提案をさせてください」と言われたら、悪い気持ちはしません。

これは社労士も一緒ですよね。「就業規則の見直しはどうですか」と言われても「別にいいです」となりますが、「顧問で付いている社労士さんが提案しない助成金があるかもしれないので、一度話をさせてくれませんか」と言われたら悪い気はしないです。

融資の保証でも同じで、例えば「私に決算書を見せていただければ、もっとメガバンクからいっぱい融資を引っぱってこれますよ」みたいなことを言われたら、じゃあちょっと可能性を考えてみようかな、となる。わかりやすさというのは割と大事です。

横須賀輝尚