サイトや名刺などで使う「色」はとても重要

今回は、自分の事務所のカラーやテキストの色など、色についての全般的な話です。

配色辞典を使ってみよう

どの色を選ぶかというのはそれぞれ好き好きなので、基本的には自分の好きにするといいという話ではあるのですが、自分の色を決める前に一応参考資料として目を通してもらいたいのが「配色辞典」という本です。配色辞典はサイトなんかでも検索したら見られると思います。

パソコン上の色というのは、色を間違えないようにすべてナンバーが付いています。ブラウザやモニターなどによって見え方が違うからです。配色辞典というのはそのために使うもので、配色辞典についての見方はいくつかありますが、ポイントは「色の組み合わせ」。この色とこの色を組み合わせるとこんな印象になりますよ、というのが載っているのが配色辞典です。

色には意味があり、組み合わせで印象が変わる

パワーコンテンツジャパン株式会社のロゴは、深い青とそれから赤です。これは何を表しているかというと、「信頼」や「誠実」を表しています。わかりやすい例えを出すと、これはみずほ銀行と同じ色なんです。みずほ銀行も青と赤で、誠実感があって重厚感を表していて、これは銀行としては非常に合っています。

色の組み合わせによって、印象はやっぱり変わります。例えば、紫と薄い青とかだとすごく神秘的な、占いや占い師のような印象になります。こういうものは、配色辞典を見ると全部載っています。

単色ではなく二色以上を使って、その色の悪い印象を補完する

私も色の専門家ではないのでそこまで深くは話しませんが、ポイントは「一色ではダメだ」ということです。色というのは、必ず良い印象と悪い印象の二面性を持っているんです。例えば、青という色は爽やか、涼しそう、清潔感がある、というような印象を持つ一方で、冷たいという印象も持ちます。そしてそれを補完するのが、対照色という色なんです。

同じく銀行の例を出しますが、りそな銀行なんかは、一応赤もありますが、すごく緑が多くてべたっとしています。緑というのは、のんびりしているとか、自然、エコといったそういう良いイメージがあるんですが、一方で田舎っぽいといったような印象を持つ人もいます。それを抑えるのが対照色というわけです。

もちろん企業イメージによって補完ができてしまうということもあるので、一色ではダメだということはありません。ただ、そういう印象になりがちということです。ですので、一色使いは少し気をつけましょう。

類似のサービスで、色によって差が出た例

例えば、mixiとGREEというソーシャルネットワークがありますが、先に伸びたのはmixiです。Mixiがよく色の世界で言われていたのは、「オレンジ色だったのが良かった」と。オレンジの方が、親しみや温かみがある感じがするんですね。一方でGREEは水色だった。対照的なのが、mixiとGREEはそれぞれ一色なんです。

だから、同じようなソーシャルネットワークでもGREEはなかなか伸びなかった。その代わり、そのあとでソーシャルゲームとして伸びてきましたが。このように、色の印象というのは結構大事です。

自分の色はどう選ぶ?

そこで、「自分の色はどういう色を選ぶか」ということですが、基本的には自分が好きな色を選べばいいかなと思います。ただ、色の印象というのを考えて選んだ方が良いです。ちなみに、もしも海外に向けて何かやるのであれば、使わないほうがいい色というのはあります。例えば紫などは、好まれない国もたくさんある。不吉とされる色とかも。一般的には、そこまで考える必要はないかもしれませんが。

ちなみに、テーマカラーに関していえば、世の中のロゴというのは、世界的な規模で見ても赤と青がほとんどです。赤青緑黄色白黒みたいなのが多いですね。だから赤と青を選んだ時点でやや普通になるということになります。そして、これもロゴと一緒ですが、「なぜその色なのか」というのが言えるとさらにいいですね。そこに物語があるといい。

色の印象というのは、実は結構強いので、サイトや名刺、それから事務所案内などそういったところの色について、配色辞典を見ながら「こういう色の組み合わせがこういう印象を与えるんだな」と考えていくといいです。そして、自分がどういう風な色にしたいかというのも大事ですが、「お客さまがどんな印象を無意識に持ってくれたらいいのかな」と考えることが一番大事です。

色は思ったより重要な要素です。
このような視点で色を考えていただいて、これを機会に配色辞典でも眺めてもらえればと思います。

横須賀輝尚